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2008年12月4日





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株式会社東陽理化学研究所 技術開発部皮膜開発グループ 主任/横山瑠理子さん
オシゴトの内容は?
特殊な薬品の中で、アルミに電流を流して皮膜を成長させ、それに染料で染色をする実験です。皮膜の生成条件、染色条件で金属は実にさまざまな風合いを見せます。

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「とらばーゆ」を生み育て、「iモード」の開発で世の中にモバイル革命をもたらした松永真理さん。彼女の著書には、仕事の厳しさとともに「はたらくことはおもしろい」というエッセンスがたっぷり詰まっている。まばゆいほどのキャリアを培ってきた現在でも、「仕事するのは、なぜなのか?」というテーマを追い続けている松永真理さんに、現代を生きる若者の就職観について直撃した。

松永 真理(まつなが まり)
1954年、長崎県佐世保市生まれ。明治大学文学部仏文学科卒。 '77年リクルートに入社。『就職ジャーナル』『とらばーゆ』の編集長をつとめる。'97年にNTTドコモに移り、iモード開発に従事する。「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2000」(日経ウーマン誌)、「Most Powerful Woman in Business」(米フォーチュン誌)のアジア第1位に選ばれる。2000年に退社後、松永真理事務所を設立。'02年からはバンダイの社外取締役に就任する。また、政府税調委員のほか、'04年4月からは明治大学情報コミュニケーション学部の特別招聘教授をつとめる。著書には『iモード事件』『なぜ仕事するの?』(角川文庫)、『iモード以前』(岩波書店)、『シゴトのココロ』(小学館)がある。


―――――大学卒業後、就職せずフリーターになる学生について、どのようにお考えですか。
私はリクルートで就職情報誌に関わっていましたから、就職する人としない人を数多く見てきました。一概にフリーターがよくないとは言いたくないけれども、仕事に就くことで見えてくるものの大きさは思った以上にある。よくね、「やりたいことを実現するために今はフリーターをやっています」って言う人がいるけれども、案外、仕事をしながらのほうが見極めがつくってこともあると思います。だからできるだけ仕事を見つけていく、そこをあんまり深刻にする必要はないけれども、一番気を抜いちゃいけないことだって思いますね。

―――――仕事を見つけたくても、やりたいことが見つからないという学生が多いようです。
よく聞きますね。仕事というのは始めてみないとやりたいことかどうかもわからない。だから、やりたいことが見つからないって言っている間はずっと見つからないんだと思います。何かを始めてみたら「あっ、もうちょっとやれそうだな」って手応えを感じたり「ちょっと向いてないかもしれない」ってことがわかったり、やっていくうちに見えてくるってこともあるんですね。職業というものをあまりにもおおげさにとらえすぎていて、天から降りてくる、いわゆる天職と出合えるまでは身動きがとれないみたいなね。それはちょっと違うだろうなと。やっていくうちに耕していくことってすごくあるんですよ。私は、やりたいことが見つからないって言っている間は一生見つかりませんよって言いますね。

―――――まずは何から始めるのがよいのでしょうか。
仕事って楽しい仕事と楽しくない仕事があるわけじゃないんですよね。本人が楽しむことが大事なんです。そのためにも、自分の興味あることからですね。そうするとつらくないんですよ。興味を持っていることって自然と情報も入ってくるし、見知らぬうちに情報をたぐり寄せるんですよね。仕事を一定のレベルまでもっていくのは大変なわけですよ。だから興味があること、自分の得意なことから入るっていうのはとってもわかりやすいことなんですよね。いろいろな機会を通して、自分ワールドを見つけていくことにチャレンジしてほしいって思いますね。

―――――自分の好きなことがわからないという人もいます。
まずは自分を掘り下げること。たとえば、自分探しとか言って旅に出る人がいるじゃないですか。でも私は、あんまり探すっていうよりも自分の今まで生きてきた経験を掘り下げたところにヒントがあると思う。掘り下げた結果、探しに行くのならいいけど、掘り下げることなく違う場所へ探しに行くのは違うと思いますね。

―――――松永さんも、就職には相当苦労されたようですね。
ええ(笑)。相当落とされましたね。人格否定に近いですよね。なんでこの20何年間か生きてきた人間をたった3分で判断するのって思いましたからね。でもね、私はリクルートでもドコモでも採用する立場になりましたでしょ。するとね、3分でわかってしまうんですよ。それが何かっていうと、やっぱりその人の「気」が前に出ているかどうかっていうことなんですよね。その人が求めているものがあれば、何かが必ず出ているものなんですよ。それがよくわかりました。

―――――3分ですか。それはすごい。やはりオーラみたいなものが出ているんですか?
そうですね。何かを知りたい、何かを得たいという人は、自らの知りたい欲求というオーラが出てきますよね。自然と眼力が出てくるし、相手に対して訴えるものがでてきます。だって、ふんぞり返って足を組んでいる人が、本当にそのことを知りたいかっていうとわかるでしょ。伝えたい、知りたいっていう思いが強ければ、自然と前のめりにもなるだろうし。そういうのは理屈抜きでね、失敗したとしても、間違えたとしても、やっぱり相手に伝わってくるものですよね。

―――――なるほど。
この仕事をやってみたいって気持ちが強ければ、面接に行っていろんなことを聞きたくなるんですよ。でも、その会社に入ることだけが目的の人っているじゃない。相手から選ばれることだけを考えている人っていうのは、それはもう分かっちゃうんですよね。面接は技術じゃないんですよ。よく見せようじゃなくて、自分が知りたいんだっていう思いをしっかりぶつけること。そうじゃなきゃ真剣勝負はできないですよね。会社にとって、新卒の学生を採用するっていうのは大変な先行投資なわけですよ。そういうことを考えると、面接する側は必死ですよね。受ける側は採用されたいっていう気持ちだけでは負けてしまいますよ。そうじゃなくって、「私を採らないと損ですよ」くらいのものが出てきているかどうかですよね。

―――――けっこう強気でも大丈夫なんですね。
私は、面接する側とされる側はすごく対等だと思います。礼をつくすとか、失礼をしちゃいけないとかっていうマナーはありますけどね。相手に採用されることだけを願っていたらそれはもう勝負に負けている、勝負になっていないんですよ。最初からね。自分をそんなに低くする必要はないと思うんです。未完成でいいんです。完成された人間が欲しいと思っているわけじゃないんですから。未完成で荒削りだけれども、自分の裁量でできることをきちんと自分の言葉でしゃべって、相手に伝えればいい。それで合わなければいいんです。私は最後にそう思いましたね。私を採用しない会社は伸びないんだってそれくらいまで思いました。そうしたら、なんか上手くいったんですよね(笑)。

―――――入社したての若手社員の中でも、今の仕事は自分に合っていないのではないか。このまま続けていいのかと悩んでいる人がいるかと思います。
どんな職業にも、どんな仕事にも工夫していく余地があります。今、自分の目の前にある仕事に対して、どうすればもっとよくできるのかという工夫をすることが大事です。この掘り下げるという作業が大事なんですよ。それをやらずして、あれこれやっても自分が見えてきません。掘り下げることによって、自分の知らなかった自分が見えてくるんです。

―――――それでは最後に、就職を控えた学生にメッセージをお願いします。
「今の若い子は何を考えているのかわからない」とか「努力をしていない」という声をよく聞きますが、私は全然そう思わない。若い人たちは、能力が高いし、やる気も持っている。ただね、選択するということをしないがゆえに、ずーっととりとめのない不安や迷いにおおわれているなって思いますね。昔は親や兄弟のために、働かなければ生活ができなかった。切羽詰まっていた。現在は豊かになったがゆえに選択肢が増え、幅が広がりました。だから迷っているんです。贅沢な悩みかもしれないけど、難しい時代だなと私は思います。どこかで選択をするという勇気を持ってほしいですね。ひとつを選択するということは、ほかを選ぶことができないということ。すごく勇気のいることなんです。でも、その1歩を踏み出すことによってようやく本当に自分の求めているものに出合え、とりとめのない不安から抜け出すことができる。これをぜひ、やっていただきたいと思います。

 順風満帆に見える松永さんだが、当然、苦労も経験してきた。リクルート時代、波に乗っているときに「とらばーゆ」編集部から不本意な部署への異動辞令。会社を辞めることも考えた。ドコモ時代、ようやくiモードが完成したものの、お披露目のプレス発表に来た記者は7人だけ…。いくつもの修羅場を乗り越えてきた。そのエネルギーの源は「仕事することを楽しむ」ということ。知名度や待遇で判断してはいけない。誰もがきっと輝けるはずなのだ、と。これから社会に出る若者にとって、これほど頼もしいことはない。世界一有名な日本人ビジネスウーマンは骨太である。
◎TEXT:山田英行

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